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家庭内の過度な期待が不登校を招くケース──プレッシャーの正体とは
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2025.11.26(Wed)
文部科学省が公表した「令和4年度 不登校児童生徒の実態調査」によると、
不登校児童生徒の背景には 「無気力・不安」や「家庭に関わる要因」 が一定数含まれており、
必ずしも学校側の問題や友人関係だけではなく、「家庭での心の負担」が影響しているケースがあることが示されています。
また同調査では、長期欠席に至った子どもの中には、「家庭の関わり方が影響した」と回答された事例が一定数存在し、家庭内での会話・期待・雰囲気が子どもの登校意欲に影響し得ることが読み取れます。
最初は本当に体調が優れず休んでいただけだったのに、徐々に保護者から
「いつになったら学校に行けるの?」
「また休むの?」
という声を受け続けることで、子どもが“責められている”と感じ、
プレッシャーや罪悪感が積み重なるケースは珍しくありません。
本記事では、「家庭内の期待と不登校」という繊細なテーマを扱いながら、
子どもが“プレッシャー”を感じる構造と、その支援の方向性を整理します。
不登校が抱える大きな課題──家庭内の期待が“重荷”になるとき
家庭内の期待が不登校の要因になるケースは、特別な家庭だけで起きる話ではなく、
どの家庭でも起こり得る“ちいさな積み重ね” から生まれることがあります。
たとえば以下のような状況です:
・体調不良で休んだ日が増え、保護者が「そろそろ行けるよね?」と声をかける
・「周りは行っているのに」など、比較の言葉が知らないうちに子どもの心を圧迫
・親自身が不安で、登校を急かす言葉が強くなってしまう
・「勉強が遅れるよ」という焦りがそのまま子どもに伝わる
・成績・部活・進路への期待が“重さ”として受け取られる
子どもは親を悲しませたくない・期待に応えたいという気持ちをもともと強く持っています。
そのため、登校できない状態が続くと、「行けなくてごめんなさい」「期待に応えられない自分はダメ」と自己否定につながることもあります。
“なんとなく学校に行くのが怖い”“朝になると動けない”という状態の裏には、
このような 家庭内のプレッシャーの蓄積 が隠れている場合が少なくありません。
支援の鍵は“安心して休める土台づくり”──期待ではなく理解へ
家庭内の期待によるプレッシャーを和らげるには、
「登校を急かす姿勢」から「子どもの状態を理解する姿勢」にシフトすることが大切です。
具体的には次のようなアプローチがあります。
1. “行けない日”があっても責めない
子どもは「休む=迷惑をかける」と感じがちです。
まずは
「休んでも大丈夫」「あなたのペースでいいよ」
というメッセージが、安心の土台になります。
2. 親の不安を整理する
保護者が焦りや不安を抱えるのは当然です。
ただ、その不安をそのまま子どもにぶつけると負担が増えます。
学校・相談機関・地域支援など、“親が相談できる場所”の存在が大切です。
3. 子どもの気持ちを丁寧に聞く
“なぜ行けないのか”が本人にもわからないケースは多くあります。
「理由がない不登校」も珍しくありません。
答えを急がず、安心して話せる雰囲気をつくることが効果的です。
4. 生活リズムや学びのつながりをゆるやかに保つ
完全に学校から離れすぎず、
・家で少し勉強する
・昼だけ学校に顔を出す
・別室登校から始める
など、緩やかな関わり方が復帰のハードルを下げます。
5. 家庭・学校・専門機関が連携する
不登校の背景には家庭だけでなく、学校側の環境・子どもの特性など複数の要因が絡みます。
家庭が一人で抱え込まず、学校・スクールカウンセラー・医療機関などと“チーム”で支えることが重要です。
未来を見つめて──期待よりも“安心”が子どもを動かす
家庭内の期待が子どもに負担として積み重なることは、誰にでも起こり得ます。
それは決して“親が悪い”わけでも“子どもが弱い”わけでもなく、
お互いが不安や焦りの中で精いっぱい向き合っている結果として生まれることがあります。
文部科学省も、不登校支援の中で
「子どもが安心して過ごせる環境を整えること」
「保護者の不安に寄り添いながら支援すること」
の必要性を繰り返し示しています。
これからの不登校支援は、
「行けるようにする」ことを急ぐ支援ではなく、
“安心できる状態を取り戻す”ことを大切にする方向へ
重心が移っていくように感じられます。
家庭内の期待がプレッシャーとして積み重なった子どもが、
再び学校とのつながりを感じられるようになるには、
“期待”ではなく“安心”を軸にした関わり方 が欠かせません。
「大丈夫」「焦らなくていいよ」と伝えられる環境が、
子ども自身が「もう少し頑張ってみようかな」と思える最初の一歩につながることもあります。
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