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通学そのものがストレスになる理由──長時間の移動・満員電車の影響
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2025.11.26(Wed)
文部科学省が公表した「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等調査」によると、
不登校の要因として 「無気力」「不安」「生活リズムの乱れ」 をきっかけとするケースが年々増加していると報告されています。
この“無気力・不安”の背景のひとつに、
「通学そのものが負担になっている」 という声が現場から多く挙がっています。
登校には、満員電車・長い徒歩通学・乗り換え・朝の混雑など、日々繰り返されるストレス要因が存在します。
長時間の移動に限らず、
・電車の音や揺れが苦手
・人混みがどうしても怖い
・家から学校までの距離が長い
・朝の支度が重く感じる
など、「通学」という行為そのものが“学校に行きづらさ”につながっている子どもも少なくありません。
本記事では、通学ストレスが不登校につながる背景と、その支援の方向性を整理します。
不登校が抱える大きな課題──“通学ストレス”が心と体に与える負担
学校に行く前の「通学」という時間は、想像以上に子どもたちの心理と体力を消耗させます。
特に、以下のような場面は負担が大きくなりやすいとされています。
・満員電車の圧迫感・音・においがつらい
・人混みや視線が苦手で、緊張が続く
・電車やバスの遅延が不安で、常に時間に追われている感覚
・丘の多い地域や遠距離通学で、朝から体力を消耗してしまう
・朝のラッシュが苦手で、学校に着くまでに疲れ切ってしまう
・家が遠い・徒歩が長いことで“行くだけで限界”になる
これらが積み重なると、学校へ着いたころにはすでにエネルギーの大半を使い果たしてしまい、
授業に集中できない・休みがちになる・欠席が続くといった状況につながることがあります。
特に近年は、コロナ禍を経て「自宅から外に出るハードル」が上がった子どもも多く、
以前よりも通学ストレスが表面化しやすくなっています。
学校の問題や友人関係ではなく、“通学の時点で限界に達している”
というケースは、実務の現場でも確実に増えています。
支援の鍵は“通学負担の可視化と環境調整”──すべてを子どもの努力にしないために
通学ストレスが大きい子どもに対しては、
「朝頑張ろう」「気の持ちよう」という声かけでは解決が難しいことが多くあります。
必要なのは “通学の負担そのものを丁寧に見直す視点” です。
以下のようなアプローチが効果的です。
1. 通学方法・時間帯の見直し
・登校時間を少し遅らせる
・人混みの少ない便に変える
・徒歩がつらい場合は家族が一部区間まで送る
など、通学ルートや時間帯の調整だけで負担が大きく軽減することがあります。
2. “通学し続けなければならない”をゆるめる
・別室登校
・週数回の登校
・午後から登校
・オンライン学習との併用
など、学校と相談しながら「段階的な登校」を設定することが有効です。
通学が苦痛であるほど、“学校に着く前に疲れ切ってしまう”悪循環が起きやすいため、無理のない関わりが重要です。
3. 家族が安心して話せる場を提供する
通学のつらさは、友だちにも先生にも言いづらい悩みのひとつです。
まずは家庭が「話してもいい場所」になることで、
子ども自身が負担を整理しやすくなります。
未来を見つめて──“学校に行けない理由は通学にある”という視点を大切
不登校の理由が「通学そのもの」と聞くと、
大人はつい「そのくらい我慢できるはず」と思ってしまうことがあります。
しかし、通学は毎日繰り返す行動であり、
その負担は少しずつ積み重なり、やがて子どもを学校から遠ざける要因になることがあります。
文部科学省も不登校の理解において、
「家庭・学校・通学環境を含む多面的な要因の把握」の必要性を示しており、
通学の困難さも見過ごせない視点となっています。
これからの不登校支援では、
・「学校の問題」
・「友人関係の問題」だけでなく、
“通学という負荷に気づけるか”も重要な観点になっていくはずです。
子どもが「学校に行きたい気持ちはあるけれど、通学がつらい」と感じたとき、
そのサインを丁寧に汲み取り、負担を減らす環境づくりができるかどうかが、
学校につながる第一歩になります。
無理をさせるのではなく、
その子にとって無理のない通い方を一緒に考えていく姿勢こそが、未来につながる支援だと思われます。
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