1. 部活動・クラブ活動の人間関係がつらいとき──学校生活の負担が限界に

行政

部活動・クラブ活動の人間関係がつらいとき──学校生活の負担が限界に

2025.11.26(Wed)

文部科学省が公表した「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、不登校の要因として 「友人関係をめぐる問題」や「学校生活への不適応」 が一定割合を占めていると示されています。
また、クラブ活動・部活動におけるトラブルや人間関係の悩みが、児童生徒にとって“学校を避けるきっかけ”になるケースも報告されています。

部活動は学校生活の大きな割合を占め、「居場所」である一方で、
上下関係・役割・競技レベル・練習の厳しさ・指導者との相性など、
さまざまな“見えづらいストレス”が積み重なりやすい場でもあります。

本記事では、部活動・クラブ活動における人間関係がつらいとき、
子どもがどのような負担を抱えるのか、その背景と支援の方向性を整理します。

不登校が抱える大きな課題──“部活の人間関係”という見えづらい壁

部活動やクラブ活動は、学校の授業とは異なる“特別な場”として機能しています。
そこには、仲間意識・競争・上下関係・役割分担・チームワークなど、多くの要素が絡み合います。
そのぶん、次のような負担が生まれやすい場でもあります。

・同級生や先輩とのすれ違い
・指導者との相性、指導の厳しさ
・グループ内での孤立
・実力差によるプレッシャー
・「休んではいけない」という強迫感

人間関係の問題は、家庭でも学校でも“完全に介入するのが難しい領域”です。
多くは、本人の気持ちのズレ・小さな誤解・意見の違いから生まれます。
時には、成長の大きな機会にもなりますが、
不器用な子どもにとっては、その“ズレ”が大きな苦しさになることもあります。

特に部活動は「チーム」が強調されるため、
「迷惑をかけたくない」「自分が抜けると悪い」という責任感がプレッシャーになり、
心身の限界に近づいていても“誰にも言えない状態”に追い込まれることがあります。

結果として、
「学校に行きづらい」「部活に顔を出せない」→ 不登校の入り口になる
という構造が発生することがあります。

支援の鍵は“関係性の分散と安心の確保”──人間関係の負担を軽くする方法

1. 人間関係は「分散できる」ことを伝える

部活動の仲間がすべてではなく、
学校・家庭・地域・オンラインなど、
複数のつながりを持っていいという価値観を伝えることが大切です。
一つの場に人間関係が集中すると負担が増えるため、
友人関係の“分散投資”という視点は、心理的な余裕につながります。

2. 子どもの選択肢を広げる(学業・他の活動・距離を置く)

部活動にこだわらず、
・学業に力を入れる
・部活動以外の活動に参加する
・一時的に距離を置く
など、本人が選べる選択肢を提示することが重要です。
「部活がすべてではない」というメッセージは、
つらい状態から抜け出すきっかけになります。

3. 家族が安心して話せる“拠点”になる

悩みを抱えている子どもにとって、
まず話を聞いてもらえる場所があることは大きな支えになります。
アドバイスよりも、
「つらかったね」「話してくれてありがとう」
という姿勢が心の回復を助けます。
必要に応じて学校との相談や環境調整に家族が関わることで、
子どもが安心して状況を整理できる土台が生まれます。

未来を見つめて──“人間関係でつらいとき”の対処法を子どもに渡すこと

人間関係は、大人でも難しい領域です。
どれだけ気をつけていても、すれ違いや誤解は起きますし、
気質の違いによって“合う・合わない”が生まれるのは自然なことです。

文部科学省も、児童生徒の人間関係の悩みが不登校の一因になり得ることを示しつつ、
「安心して学べる環境づくり」の重要性を繰り返し述べています。

これからの不登校支援では、
部活動でのトラブルを「根性で乗り越えるべきもの」とするのではなく、
“つらいと感じたとき、どう距離を取るか・どう助けを求めるか”を学ぶ機会
として捉える視点が必要になっています。
人間関係に不器用な子どもでも、

・家庭が安心の拠点となる
・学校が支援の選択肢を提示する
・休息が許容される

そんな環境が整えば、「学校に行きたくない」に至る前に、心が回復する道が見えてきます。

部活動の人間関係でつらさを抱えた子どもが、再び学校生活に前向きになれるかどうかは、
“つらかったね”と寄り添ってもらえた経験が大きく支えになるはずです。

  • facebook_02
  • twitter_02
  • line_02